京都で開催されたアートフェア、Art Collaboration Kyoto(ACK)の連携プログラムとして、京都建仁寺の塔頭寺院である両足院にて開催された、3名の若手作家による展示の空間ディレクションです。
通常非公開となっている両足院は、回遊式庭園を持つ素晴らしい禅宗寺院建築のお寺です。空間に何か足すということはせずに、この回遊式の庭、建築、作品を体験としてどう紡いでいくかを考えました。建築をめぐりっていくと、次々に作品と出会い、少し高い位置にある茶室・臨池亭から振り返ると、すべての作品がパノラミックに見渡せるという体験を設計しました。最後の視点場の臨池亭では、来場者がお茶を飲みながら休憩できるようにし、必然的に振り返るきっかけを作りました。
視点場の中央の池越しに方丈、大書院に配置する3人の作品がどう見えるかを検証して作品位置、設置方法など話し合いながら決めていきました。障子を外して各部屋から作品が相互に見えるように配慮し、作家からの提案で障子枠に合わせたフレームを差し込み作品を両面にかけることで内外の体験をつくりました。また、透け感のある作品を中央に配置することで前後の空間によって違う見え方を提示し、中央の池にも作品を配置することでお寺全体で作品を楽しめるようにしました。さらに茶室から回遊式庭園をぐるりと歩くとまた違う視点場が現れます。
今回この体験に視覚だけではなく嗅覚、味覚も足したいと思い、京都文化に精通している川﨑仁美さんにご協力いただき、それぞれの作品のイメージ合わせた香をたき、さらにお茶と京都名物蕎麦ぼうろを召し上がっていただくことにしました。お香は先進的なお香屋さんのサンガインセンスさんの9種類の香を聞いて作品イメージに合ったもの選びました。YUGENさんのお茶、蕎麦ぼうろは展覧会名の「中空の行方」から穴の空いたお菓子として選び今回は食べ比べで尾張屋さん、丸太町かわみち屋さんの2種を用意し、視点場の茶室で来場者に振舞いました。
五感を通じて作品と空間を感じることのできる空間を目指しました。
Art Collaboration Kyoto
Architecture
- Title
- Art Collaboration Kyoto
- Date
- 2022.11.18 - 2022.11.20
- For
- exhibition
- At
京都府,京都市東山区,両足院
- Size
- -
- Status
- Completed
Staff
- Direction
- 永山祐子
中村祐太郎 - Cooperation
- サンガインセンス(お香),YUGEN(お茶)
- Organize
- YOMAFIG.
- Culture Direction
- 川﨑仁美(現代盆栽)
- 3D archive
- ARCHI HATCH
- Video
- 吉見峻
- Photo
- Courtesy of ACK, 2022, photo by Yuki Moriya