松坂屋名古屋店に併設される会員制ラウンジ。
松坂屋名古屋店は古くから外商文化とともに歩んできた歴史を持つ。外商顧客に訪れてもらい、おもてなしをする為の会員制ラウンジである。
松坂屋の初代社長の別荘として建設された揚輝荘。社交場としても利用されたこの場所は、松坂屋のおもてなし文化の原点である。
揚輝荘の建築は、日本文化の中に各国様式を取り入れ海外で得た新しい美意識を各所に散りばめており、ここを訪れた人々に刺激を与える場所であった。
今回の会員制ラウンジを設計するにあたり、別荘・社交場・刺激を得られる場の3つのキーワードを軸に空間を考えた。海外が身近になった現代、改めて見直される地域文化や地場産業、新しい気づきを与えてくれる現代アート、環境への意識を高める素材など、今の時代に合った安らぎと交流、刺激を得られる場を提案した。
元々ボウリング場であった為天井高を大きく上がられること、一面に開いた窓からは久屋大通のケヤキ並木を一望出来ること等、この場所のポテンシャルを空間づくりに活かしながらラウンジの中に様々な性格を持つ居場所を創り出した。
天井高などの建築的な操作により、別荘のように落ち着いて寛げる場所、社交場として交流を生み出す場所、イベントや展示などが常に企画されることで人々が刺激を得られる場所の3つのエリアが柔らかく繋がっていく。
内装のマテリアルは地場産業やサステナブルな素材を中心に選定した。多治見のタイルや豊田の木材、シーグラス、再生タイル等、実際に運営するスタッフと共に工場などに訪れて丁寧に選定をしていった。
また、ラウンジの中心に据えられた現代アートは、愛知県にゆかりのある3名のアーティストに依頼をし、この場所に合わせて制作・選定している。
訪れた人にとって毎回新たな発見があり、その時々の居場所を見つけてもらえる、松坂屋名古屋店ならではのラウンジとなった。
松坂屋名古屋店会員制ラウンジ
Architecture
- Title
- 松坂屋名古屋店会員制ラウンジ
- Date
- 2021.07 - 2023.06
- For
- commercial
- At
愛知県名古屋市
- Size
- 680㎡
- Status
- Completed
Staff
- Direction
- 永山祐子
井出美咲
池上里佳子 - Build
- 丹青社
- Lighting Plan
- 岡安泉照明設計事務所
- Planting Design
- 荻野景観設計
- art curation
- 高須咲恵
- artist
- 阿部亮太郎 / 坂本和也 / 江上真織
- Photo
- Nobutada Omote