
















2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博) ウーマンズパビリオン in collaboration with Cartier
ドバイ万博から引き続き出展されることになった「Womenʼs Pavilion」は、女性活躍推進をテーマとした館である。日本で男女雇用機会均等法が制定されたのは1985 年。私がドバイ万博日本館の公募に参加した2018 年のタイミングで、サウジアラビアでは女性の自動車運転がはじめて認められたことに驚き、中東での女性活躍の現状がどうなっているのかに深く興味があった。日本館の提案書の中で、女性を含めオールジェンダー、オールジェネレーションが語らう場となることを提案した。2018 年のジェンダーギャップ指数(世界経済フォーラムによる発表、以下GGGI と表記)は、UAE 121 位、日本110 位。やや日本が上ではあるものの似たような状況であった。実際UAE では、ドバイ万博事務局長は女性であったし、女性大臣も多数いた。ドバイ万博を経た2024 年のGGGI で、日本は118 位。UAE は万博のときから大きく順位を上げ、74 位となっている。そうしたWomenʼs Pavilion の継承への背景と同様にドバイ万博から大阪関西万博につなげる日本館ファサード構造のリユース、この二つの想いが重なってこのプロジェクトがはじまった。敷地は西側の木造リングに面し、東側に向かって奥行きのある18m × 110m の細長い敷地だった。奥に向かって2m の高低差がある。まるで京町家のような細長い敷地だ。そこで前方と中央に中庭、脇に通り庭を設け、ドバイ万博からのリユースである「KUMIKO ファサード」でやさしく包み、光と影のバッファーゾーンをつくり出した。庭には大阪近郊の山から集められた木々を植え、木々の上にKUIMKO ファサードの木漏れ日が落ちる。森の大樹のように木々を強い日差しや豪雨から守る役割をもっている。ドバイ万博の二等辺三角形から、大阪・関西万博では細長い形状へとまったく異なる空間体験に変換された。リユースというストーリーを紡いで、さらに新しい表現を得ることができた。2 階にはドバイ万博のWomenʼs Pavilion のマジリスを継承した「WAスペース」という語らいの場が設けられた。この場は、偶然にも私のドバイ万博日本館の提案書にも入れていた語らいの場である。二つの万博を通して最初に描いた想いが実現した。
ウーマンズパビリオン in collaboration with Cartier
Architecture
- Date
- 2022.07 - 2025.01
- For
- culture
- At
大阪府,夢洲
- Size
- 1708.0㎡
- Status
- Completed
- Website
- https://www.expo2025.or.jp/
Staff
- Direction
- 永山祐子
花摘知祐
藤田明日香
齋藤隼
横田英雄
松井陸 - Build
- 株式会社大林組
- Structural Design
- オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッド
- Lighting Plan
- 岡安泉照明設計事務所
- Planting Design
- 荻野景観設計株式会社
- Pavilion Partners
- 内閣府,経済産業省,博覧会協会
- Lead Architect
- 有限会社永山祐子建築設計
- Global Artistic Lead
- エズ・デヴリンスタジオ
- Photo
- Nobutada Omote
Victor Picon ©Cartier(1/4/5/11/14/17)