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百貨店という街を再構成する
1611年に名古屋で呉服屋として創業、1925年にこの地にオープンした松坂屋名古屋店の改装である。
まず、歴史を紐解き、これからの百貨店の新しい役割を見据えたコンセプトを作るところから始まった。歴史の資料の中に第二次世界大戦の焼け野原の中、松坂屋だけが焼け残りたちあがっている姿があった。その後、公募によって「生活と文化を結ぶ松坂屋」という松坂屋のキャッチフレーズが決まる。ただモノを売るだけではなくそこには生活の中に文化を育てる、そんな役割を担っていくという思いが込められている。そもそもの松坂屋が目指していた役割を見直し「原点回帰」を起点に考えていった。
戦前から100年の増改築によって拡幅されてきた平面には複数のエスカレーターが設置され、歩いていると迷ってしまうほどの広さである。まるで都市の街区のような各売り場が、縦に積み上がるようにして立ち上がる百貨店という塔を縦動線のエスカレーターが貫く。大津通側のエスカレーターと久屋大通側のエスカレーターをきっかけとしながら売り場を大きく二つのエリアに分けていった。大津通側は”銅”、久屋大通側は”真鍮”と素材によってエスカレーターにキャラクターを与えていった。この二つの素材は、百貨店として松坂屋が建設された明治時代の建築物の屋根や装飾品などに多く使われていた素材で、時間の経過とともに味わいが増す。それぞれの素材に包まれたエスカレーターは立体的なシンボルとなっており、そのエスカレーターの中間には都市で言えば公園的な百貨店側が企画と運営をする特徴的な売り場「セントラルステージ」をデザインし、人がフロア内を楽しく回遊するきっかけをつくり出している。

Group Show CADAN “Contemporary Manners”展示風景(2024)(写真10,12)

松坂屋名古屋店

Architecture

Date
2022.06-2024.12
For
commercial
At

愛知県名古屋市

Size
20,000㎡
Status
Completed

Staff

Direction
永山祐子
井出美咲
池上里佳子
Build
株式会社 J.フロント建装 (施工協力:綜合デザイン・日展・ヤマトクリエイション)
Lighting Plan
岡安泉照明設計事務所
Planting Design
荻野景観設計
Graphic / Sign Design
井原理安デザイン事務所
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