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積善館山荘に続く、このプロジェクトの第二弾として本館の改修を行った。これは時代の流れで使われなくなってしまった場所の復興であり、第三弾の改修を見越した構想である。

積善や
スタッフの炊事場や使われていない倉庫として閉じていた場所を、全ての来訪者が利用できるレストランへ改装した。この炊事場は、昔の湯治客で賑わっていたころにも炊事場として、行商から買う食材で客自らが自炊していた場所と考えられる。記憶の体験できる場所として、またにぎわいを生む場所として、釜場を建物の表に設けている。釜場やカウンターは笏谷石という福井県の石を使用していて、この凸凹と隆起した石の塊によって、細長く空間を構成し、突き当たりには明るいお庭を計画している。フロントとの間に計画した吹き抜け空間は、宿泊者と外来者との視線が交差し、また増築の歴史が交差する部分でもある。吹き抜けからレストラン、またレストランの離れにかけて、中之条出身の作家さんに製作いただいた照明シェードを並べている。

積善やはなれ
本館レストランに隣接し、かつては食堂として使われていた場所を宿泊客が朝夕食を取るための場所へ改装した。改装前は幾度となく改修された痕跡が残り、また老朽化が激しい状態であったため、床・壁・天井など損傷が激しい箇所は適宜修繕を行っている。既存の柱に古色塗りを施してもともとあった真壁を残すことで、本館の内装の雰囲気に合った落ち着ちつきのある空間を目指した。後の計画として、惜しくも耐久性の問題で取り壊し予定である「大広間棟」が生まれ変わる際には、レストランと離れは改めて庭側に開かれた場所として整備される予定である。

積善館 本館 積善や

Architecture

Date
2020.01 - 2021.04
For
commercial
At

群馬県

Size
174.00㎡
Status
Completed

Staff

Direction
永山祐子
杉浦菜花(積善や)
横田英雄(積善や はなれ)
Build
株式会社町田工業
Structural Design
森部康司
Planting Design
和想
Photo
Nobutada Omote
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