


















2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博) パナソニックグループパビリオン「ノモの国」
パナソニックグループパビリオン「ノモの国」(以下、パナソニック館と表記)は、子どもたちに向けたパビリオンである。まだ未来が固まっていない、これからいくらでも変容していく子どもたちのイメージを、有機的でゆらぎのある建築の在り方で表現しようと考えた。
ドバイ万博の日本館は幾何学を使った構造体でシステムの強い建築だったが、パナソニッ ク館では、一見システムが見えない自由な形状の構造形式を模索した。テーマである「720 度の循環」をイメージさせる、三次元的に曲げたスチールパイプのバタフライモチーフを集積させ、全体を構成した。全体を引いて見ても、何の形かわからない、変容し続けていく一瞬の形を捉えたような形状だ。バタフライモチーフに金属をスパッタリングしたオーガンジーが取り付けられ、海からの風を受けて常にゆらめく。オーガンジーは見る角度によって色が変化する。有機的な蠢く皮膚のような変容体が建物全体を覆っていく。
風で“揺らぐ” 軽やかで自由な建築が、私たちの皮膚感覚に近いパビリオンとして、来場者の感覚に訴えかける。 循環を表すモチーフが集まり、ファサード全体を形成することで 「私たちも循環する世界の一部」であることを象徴する。パナソニックグループの工場から出る端材をアップサイクルして建材として採用。システムキッチンなどの製造で使用する「人造大理石」やテレビに使用する「プリズムシート」などの端材・廃材を、応接室などを中心に、内装や照明として活用している。
パナソニックグループパビリオン「ノモの国」
Architecture
- Title
- パナソニックグループパビリオン「ノモの国」
- Date
- 2022.04 - 2025.01
- For
- culture
- At
大阪府,夢洲
- Size
- 1731㎡
- Status
- Completed
- Website
- https://www.expo2025.or.jp/
- Publications
- CNET Japan
TECTURE MAG 2022年7月18日
Staff
- Direction
- 永山祐子
花摘知祐
近藤弘起
松井陸 - Build
- 株式会社大林組
- Structural Design
- 株式会社大林組,株式会社構造計画研究所
- Lighting Plan
- 岡安泉照明設計事務所
- Textile Design
- 安東陽子デザイン
- Photo
- Nobutada Omote