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 閑静な住宅街の細い路地に面する60代の夫婦2人が暮らす家で ある。都会の住宅地らしく路地の脇は住宅の壁面が隙間なく続き 、路地空間が少し窮屈に感じた。そんな路地に対して大きく抜け を造り、空に向かって開くことで、街並みを少し明るくするきっ かけを作りたいと考えた。開放的な家の佇まいは人を招くのが好 きな夫婦の家にふさわしく思えた。 路地と直角に敷地を2分割し、右側を寝室、水回り、収納などプ ライベートな空間のある3層のRCの箱。左側をキッチン、ダイニ ング、リビング、書斎などパブリックな空間のある鉄骨造のガラ スの箱とした。ガラスの箱の中は2Fリビング、3階書斎の床が 段々畑のように奥に向かって階段状に重なり、道沿いに3層の吹 き抜けが生まれる。この垂直な抜けは路地に空への抜けを作り出 すとともに、内部の生活とのバッファゾーンとなっている。パブ リック空間からRCの箱にあいた四角い窓を通しプライベート空 間が垣間見え、まるで自分の家の外にいるように感じる。逆にプ ライベート空間からはパブリック空間が家の外にあるように感じ る。開かれた箱、閉じられた箱は一つの住宅の中に行き交う2つ の視点と経験を生み、この家の中で今後長い時間を過ごすであろ う住人の暮らしに変化を与えている。また、日中長く過ごすガラ スの箱内の熱環境を考慮し、天井ガラスは日光の透過率を変化さ せる調光ガラス、吹き抜けの高低差を利用した空気のサーキュレ ーションシステムを取り入れている。